俗世灼く 炎天知らぬ 岩の苔

実験的にnoteと同じ内容を載せています。

YouTubeで見られるパフォーマンスが芸術的な五輪開会式2選

好きな映画やドラマを聞かれて「ドラマじゃないけど五輪開会式のパフォーマンス映像を見るのが好き」と答えることがある

 今、五輪開会式に関する残念なお知らせが相次いでいる。そんな時は過去の五輪開会式でも見て気を紛らすのもひとつである。私は好きな映画やドラマを聞かれて、「ドラマじゃないけど五輪開会式の映像を見るのが好き」と答えることがある。国の威信がかかっている分ハイクオリティなのだ。

 そこでここでは、YouTubeで見られるオススメ五輪開会式、特に芸術的な開会式2選をご紹介したい。開会式の映像を公開してる個人チャンネルもあるが、オリンピックの公式チャンネルは全大会の開会式をノーカットで公開している。なので、ここではオリンピックの公式チャンネルの動画を紹介する。


 なお、私の好みの開会式はクラシカル、格調高い、作り手にハイカルチャーの素養が感じられる、などなので、ドローンだとかはあまり興味がない。平昌オリンピックのドローン五輪はさすがIT大国といったところだけど、個人的には韓国の伝統舞踊であるプチェチュム(扇の舞)で作った五輪の方がよかった。プチェチュムは誰が見ても華やかで、なんでやらなかったのかわからない。

 

芸術大国ロシアの壮麗かつ繊細なソチ五輪開会式

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 オススメできる開会式の筆頭と言えばこれ。音楽、建築、文学、バレエ、サーカス、ロシアアバンギャルドなど、芸術大国ロシアの文化の力が遺憾なく発揮されている。壮麗かつ繊細。閉会式も壮麗かつ繊細。ところどころ、ロシア帝国ソ連の栄光の裏側の血塗られた歴史や人民の嘆きを感じる箇所もあり、政治的な問題で配役が決まったとのどこかで見聞きしたような醜聞もあるが、それでも一見に値する。

 教養がわかる人にはわかる数々の小ネタが挟まれている。私は浅学なのでわからないことが多かった。でも開会式とは開催国に関する知識がないと面白くないものなのかもしれない。

 特にお気に入りは『だったん人の踊り』にあわせてロシアの大地をイメージしたフロートが現れるところから、雪の五輪が掲げられるところまで。この『だったん人の踊り』はマイベスト編曲。どこかで音源を買いたいくらい。ソチ五輪の音楽は大体お気に入り。こう書くと「個人的な音楽の趣味で開会式の良しあし決めてへんか?」と言われそうな気もしてきた...

 ちなみに私はナボコフが好きだが、冒頭のロシア語アルファベットの順にロシアにちなんだ単語が読み上げられる映像にもナボコフが登場する。そのことをこちらの記事に書く予定。もし書き上げられたら読んでいただきたい。

 

傾国の美しき神話と伝説、アテネ五輪開会式

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 高校の時にテレビで初めて見た時にはその幻想的な美しさに魅入られた。大人になってからネットで何回も見ることができたので、とても嬉しかった。幻想的で神話的。放送してよいとは言いづらい必要悪的なパフォーマンス、五輪以降のギリシャ経済の衰退など残念な話も付きまとうが、神話の世界を再現し、古代史も近代史も伝説のように表現する開会式はギリシャならではだろう。

 ギリシャとは縁もゆかりもなさそうなビョークが歌を披露していたが、神話や伝説が似合う歌手はビョークしかいないとなると納得の人選。間違って人の世界に生まれてきた神話の世界の人物だとしてもおかしくない人。

 特に圧巻なのは"Klepsydra(ギリシャ語で砂時計)"という、古代ギリシャ文明時代の像などの芸術品、ギリシャ正教の聖人像、近代ギリシャの軍人やオリンピアンに扮した人々によるパフォーマンス。視覚的にも美しいし、宗教的な雰囲気のBGMも幻想的。

 ヘレニズム文化の彫刻に扮したパフォーマンスはわかりやすく美しい。古代のオリンピアンに扮する青年たちは世界の美しい男性ベスト10に入るし、アテナ女神像に扮する女性も世界の美しい女性ベスト10に入る。ルネサンス期の人がギリシャ文化を喜んで取り入れるのも納得。

 

実は全大会の開会式を見てる訳ではないけど、五輪開会式は面白いコンテンツ

 さて、私は実は全大会の開会式を見ている訳ではない。だからご紹介できる開会式も2つだけ。それでも開催国の威信がかかった五輪開会式はかなり面白いコンテンツだ。醜聞だらけの東京オリンピックだが、それなりに面白いかもしれない。

 そもそもオリンピックなんか、どこの国でも醜聞なり悪評なり失敗した政策なりが付きまとうものかもしれない。それでも開催されるなら毒を食らわば皿まで。とりあえず面白がるのも一興だ。